介護現場の人間関係に疲れないために。施設長が大切にしている5つの考え方
こんにちは。
現役の特別養護老人ホーム施設長として働いている「施設長のライフノート」です。
介護の仕事をしていると、利用者様へのケア以上に悩むことがあります。
それが、
職場の人間関係です。
介護現場には、
- 介護職
- 看護師
- ケアマネジャー
- 生活相談員
- 機能訓練指導員
- 管理栄養士
- 医師
など、さまざまな職種が関わっています。
年齢も違えば、経験年数も違う。
介護に対する考え方も違います。
だからこそ、意見が合わなかったり、相手の言動が気になったりすることもあります。
私自身、介護現場で働き始めてから現在まで、人間関係について悩んだことは何度もあります。
そして施設長になった今、以前より強く感じていることがあります。
それは、
「人間関係をすべて良くしようとしないことも大切」
ということです。
今回は、私自身が人間関係に振り回されないために意識している5つの考え方をご紹介します。
結論|すべての人とうまく付き合う必要はない
今回お伝えしたいことは、シンプルです。
人間関係で疲れないためには、
- むやみに関わらない
- いちいち気にしない
- すぐに反応しない
- 無駄に疲れない
- 無理に白黒つけない
この5つが大切だと考えています。
これは、人を無視したり、職場の問題を放置したりするという意味ではありません。
自分が関わるべきことと、関わらなくてもいいことを見極める。
それだけでも、人間関係による疲れはかなり減ります。
① むやみに関わらない
介護職は、人の役に立ちたいという気持ちが強い方が多いように感じます。
困っている人を見ると放っておけない。
職員同士でトラブルがあれば何とかしてあげたい。
もちろん、その優しさは介護職として大きな強みです。
しかし、すべての問題に自分が関わろうとすると、いつか疲れてしまいます。
他人を変えることは難しい
介護現場では、
「〇〇さんが全然やってくれない」
「〇〇さんの考え方を変えてほしい」
という相談を受けることがあります。
でも、他人の性格や価値観を変えることは簡単ではありません。
私自身も管理職になってから、
「相手を変えるより、自分がどう関わるかを変えた方が早い」
と感じる場面が増えました。
相手をコントロールしようとするのではなく、
「自分にできることは何だろう?」
と考える。
それだけでも気持ちはかなり楽になります。
全員に好かれようとしない
「こんなことを言ったら嫌われるかな」
「機嫌を悪くしたらどうしよう」
そんなことを考えながら仕事をしていると疲れます。
10人いれば10通りの考え方があります。
全員から好かれることはできません。
だから私は、
誰に対しても大きく態度を変えないこと
を意識しています。
もちろん礼儀や配慮は必要です。
でも、相手の顔色ばかり見て自分の意見を変えてしまうと、かえって信頼されにくくなります。
部下に任せることも必要
管理職になると、部下の仕事が気になってしまいます。
「自分がやった方が早い」
と思うこともあります。
しかし、すべて口を出してしまえば、本人が考える機会を奪ってしまいます。
危険がある場合や大きな問題につながりそうな場合は介入します。
そうでなければ、
一度任せて、見守る。
これも人間関係を良くするための大切な方法だと思っています。
② いちいち気にしない
人間関係の悩みの多くは、
「相手がどう思っているか」
を考えすぎることで大きくなります。
「あの言い方は怒っていたのかな」
「自分のことを嫌っているのかな」
「さっきの返事が冷たかった」
でも、本当のところは本人にしか分かりません。
分からないことを何時間考えても、答えは出ません。
それなら、
今、自分ができることに集中する。
私はその方が建設的だと思っています。
「いい人」でい続けなくてもいい
誰でも周囲から良く思われたいものです。
私もそうです。
でも、ずっと「いい人」でいようとすると疲れます。
管理職になると、時には
- 注意をする
- 改善を求める
- 要望を断る
- 厳しい判断をする
ことも必要です。
そのたびに、
「嫌われないかな」
と考えていたら仕事になりません。
大切なのは、
好かれることより、公平であること。
これは施設長になってから特に意識するようになりました。
③ すぐに反応しない
人間関係のトラブルでは、
感情的に反応した瞬間に話が大きくなることがあります。
例えば、
「〇〇さんがこんなことを言っていました」
と聞いたとします。
以前の私なら、すぐに本人へ確認したくなっていたかもしれません。
でも今は、一度考えます。
「これは本当に対応が必要なのか?」
「事実なのか?」
「今すぐ動く必要があるのか?」
一呼吸置くだけで、必要のないトラブルに巻き込まれることを減らせます。
噂話には慎重になる
介護現場は人が多いため、さまざまな情報が飛び交います。
その中には、
事実なのか分からない話もあります。
「〇〇さんが辞めるらしい」
「〇〇さんが怒っているらしい」
「〇〇さんはこう言っていた」
こうした話をそのまま別の人へ伝えると、いつの間にか内容が変わってしまうこともあります。
だから私は、
確認できていないことは、むやみに広げない。
これを大切にしています。
特に管理職の言葉は、自分が思っている以上に重く受け取られます。
④ 無駄に疲れない
人間関係は大切です。
でも、人間関係だけにすべてのエネルギーを使う必要はありません。
介護現場には、
利用者様へのケアや安全管理など、本当に向き合うべき仕事があります。
だからこそ、
「これは自分が悩み続ける問題なのか?」
と考えることが大切です。
他人の意見を聞きすぎない
チームで働く以上、他人の意見を聞くことは重要です。
しかし、
Aさんの意見を聞いて、
Bさんの意見を聞いて、
Cさんの意見を聞いて……
とやっていると、何が正しいのか分からなくなることがあります。
最終的には、
「自分はどう考えるのか」
という軸が必要です。
私は施設長として、多くの意見を聞くようにしています。
でも、最後は自分で判断します。
管理職とは、みんなの意見をそのまま採用する人ではなく、
意見を聞いたうえで決める人
なのだと思っています。
得意なことを活かす
人と比べると疲れます。
「あの人は説明が上手」
「あの人は仕事が速い」
「あの人は利用者様との関係づくりが上手」
もちろん、学ぶことは大切です。
でも、同じ人間になる必要はありません。
自分の強みを伸ばす。
苦手なところは周囲に助けてもらう。
介護はチームで行う仕事だからこそ、それでいいと思っています。
⑤ 無理に白黒つけない
介護の仕事には、
正解が一つではない問題
がたくさんあります。
例えば、
「この利用者様には、このケアが一番良い」
と考える職員もいれば、
別の方法が良いと考える職員もいます。
どちらも利用者様のことを考えている。
だから意見が分かれることがあります。
そんなとき、
「どちらが正しいのか」
を延々と議論するより、
安全性を確認したうえで、
まず試してみる。
そして、
利用者様の反応を見て修正する。
私はこの考え方を大切にしています。
意見が違うことは悪いことではない
職員同士で意見が違うと、
「人間関係が悪い」
と思ってしまうことがあります。
でも、私は必ずしもそうではないと思っています。
利用者様のことを真剣に考えているからこそ、意見が違うこともあります。
大切なのは、
意見と人格を分けること。
「考え方が違う」
と
「嫌い」
は別の話です。
意見が違っても、一緒に仕事はできます。
施設長になって感じる「良い人間関係」
昔の私は、
「仲が良い職場=人間関係が良い職場」
だと思っていました。
でも今は少し違います。
私が考える人間関係の良い職場とは、
言いたいことを適切に伝えられる職場
です。
意見が違っても話し合える。
困っているときは助けを求められる。
失敗しても相談できる。
そんな関係の方が、単にみんな仲良しという職場よりも強いと思っています。
介護は一人ではできません。
だからこそ、
無理に仲良くなる必要はないけれど、
仕事では信頼し合える関係
をつくっていきたいと思っています。
まとめ|人間関係に振り回されないことも大切
今回は、私が介護現場の人間関係で大切にしている5つの考え方をご紹介しました。
- むやみに関わらない
- いちいち気にしない
- すぐに反応しない
- 無駄に疲れない
- 無理に白黒つけない
人間関係を完全にコントロールすることはできません。
でも、
自分がどう関わるかは選ぶことができます。
合わない人がいてもいい。
意見が違ってもいい。
すべての人に好かれなくてもいい。
そのうえで、
利用者様のために必要なところでは協力する。
それくらいの距離感が、介護現場ではちょうどいいのかもしれません。
人間関係で疲れている方が、少しでも気持ちを軽くするきっかけになれば嬉しいです。
今回参考にした本
この記事を書くうえで参考になったのが、
『仕事も人間関係もうまくいく 放っておく力』
です。
人間関係に振り回されて疲れてしまう方にとって、考え方を少し変えるヒントがたくさん詰まっています。
私自身も、
「すべてに反応しなくてもいいんだ」
と気づかされた一冊です。
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