【現役施設長が解説】介護職の転職面接で見ている7つのポイント|よくある質問と回答例も紹介
こんにちは。特別養護老人ホームの施設長として働いている「施設長のライフノート」です。
介護職の転職活動で避けて通れないのが「面接」です。
「何を聞かれるんだろう?」
「退職理由は正直に話していい?」
「面接官はどこを見ている?」
と不安になる方もいると思います。
私は現在、施設長として実際に介護職の採用面接を行っています。
面接官になって感じるのは、完璧な受け答えができる人を探しているわけではないということです。
介護現場では、利用者や家族、多職種と関わりながら仕事をします。
そのため私は、経験や資格だけでなく、
「きちんとコミュニケーションが取れるか」
「これまでの経験を自分の言葉で説明できるか」
「入職後、周囲と協力して働けそうか」
といった部分も見ています。
今回は、実際に面接する側の視点から、介護職の転職面接で押さえてほしい7つのポイントを紹介します。
この記事はこんな方におすすめ
- これから介護職の転職面接を受ける
- 面接が苦手
- 退職理由の伝え方に悩んでいる
- 志望動機をうまく話せない
- 面接官がどこを見ているのか知りたい
介護職の面接で「完璧な回答」は必要ない
まず伝えたいのが、
面接対策=模範解答を暗記することではありません。
もちろん、質問への準備は必要です。
しかし、用意した文章をそのまま読み上げるような回答より、
「なぜ転職したいのか」
「なぜこの施設なのか」
「これまでどんな仕事をしてきたのか」
を自分の言葉で説明できることの方が大切です。
分からないことを無理に取り繕う必要もありません。
面接官も短時間ですべてを判断できるわけではありません。
だからこそ、限られた時間の中でお互いのことを確認する場と考えて面接に臨むといいでしょう。
介護職の転職面接で押さえたい7つのポイント
① 面接場所・時間・持ち物を事前に確認する
基本的なことですが、まず確認したいポイントです。
面接前日までに、
- 面接日時
- 施設の住所
- 交通手段
- 所要時間
- 持ち物
- 担当者名
などを確認しておきましょう。
オンライン面接なら、URLや使用するアプリ、カメラ・マイクなども事前に確認します。
遅刻しそうな場合には、分かった時点で早めに連絡しましょう。
以前の記事では「遅刻したら9割以上不採用」と書いていましたが、これは少し言い過ぎでした。
交通機関のトラブルなど、やむを得ない事情もあります。
私が気になるのは、遅刻そのもの以上に、そのときにどう対応するかです。
連絡をせずに遅れるのと、事前に事情を説明するのでは印象が違います。
また、極端に早く到着する必要もありません。
施設側にも業務がありますので、指定された時間に合わせて訪問しましょう。
② 履歴書・職務経歴書は「読みやすさ」と「整合性」を意識する
履歴書や職務経歴書も重要です。
ただし、
字がきれいだから採用、字が汚いから不採用
という単純な話ではありません。
現在はPCやスマートフォンで作成した履歴書でも問題ありません。
私が確認するのは、
- これまでどんな仕事をしてきたか
- 介護経験はどのくらいあるか
- どの施設形態を経験しているか
- 資格は何を持っているか
- 転職の経緯
- 空白期間がある場合の理由
- 記載内容に矛盾がないか
といった部分です。
特に介護業界では転職経験があること自体は珍しくありません。
転職回数だけを見るのではなく、「なぜ転職したのか」「そこで何を経験したのか」まで説明できるようにしておくことが大切です。
誤字脱字や記入漏れがないかも、提出前に一度確認しておきましょう。
③ 第一印象は「清潔感」と「挨拶」を意識する
面接では第一印象も大切です。
ただし、高価なスーツを着たり、特別なことをしたりする必要はありません。
意識したいのは、
清潔感と基本的な挨拶です。
服装や髪型を整え、面接官と会ったら、
「本日はお時間をいただき、ありがとうございます。よろしくお願いいたします」
と挨拶できれば十分です。
介護職は利用者だけでなく、家族や他職種など多くの人と関わります。
そのため、私は面接でも相手と自然にコミュニケーションを取れるかを見ています。
緊張すること自体は問題ありません。
面接官も緊張していることは分かっています。
無理に完璧に見せようとするより、質問を聞いて、自分の言葉で答えることを意識しましょう。
④ 退職理由は「悪口」で終わらせない
介護職の面接で聞かれることが多いのが、前職の退職理由です。
給与、人間関係、勤務時間、仕事内容、家庭の事情など、転職理由は人それぞれです。
ネガティブな理由があったとしても、それを隠す必要はありません。
ただし、
前の職場への不満だけで話が終わってしまうのは避けた方がいい
と思います。
例えば、
「給料が安かったから辞めました」
だけではなく、
「前職で○年間経験を積みました。今後は資格や経験を活かしながら、キャリアアップできる環境で働きたいと考えて転職を決めました」
と伝えれば、
過去の不満ではなく、これからどう働きたいのか
まで伝えられます。
人間関係が理由の場合も同様です。
「人間関係が最悪だった」
だけではなく、
「職員間のコミュニケーションに難しさを感じることがありました。次の職場では、多職種で相談しながら利用者を支援できる環境で働きたいと考えています」
など、自分が次の職場に何を求めているのかにつなげると伝わりやすくなります。
大切なのは、嘘をついてポジティブに見せることではありません。
事実を整理したうえで、「次はどうしたいのか」まで説明することです。
⑤ 志望動機は「なぜこの施設なのか」まで考える
面接官として意外と気になるのが、
「なぜ、うちの施設を選んだのだろう?」
という点です。
「家から近かったから」
「給料が良かったから」
これも立派な応募理由の一つです。
ただ、それだけで終わらず、
- 法人理念
- 施設の特徴
- 研修制度
- キャリアパス
- 介護方針
- 施設形態
- ホームページで見た取り組み
など、自分が興味を持った部分を一つでも調べておくと、志望動機が具体的になります。
例えば、
「これまで特養で○年間働いてきました。これまでの経験を活かしながら、御施設が力を入れている○○にも取り組んでみたいと思い応募しました」
というように、
「自分の経験」+「応募先の特徴」
をつなげると話しやすくなります。
⑥ できないこと・希望条件も正直に伝える
採用されたいからといって、何でも、
「できます」
「大丈夫です」
と答える必要はありません。
例えば、
- 夜勤回数
- 曜日の制限
- 身体的に難しい業務
- 通勤方法
- 入職可能日
- 家庭の事情
など、働くうえで重要な条件は事前に伝えておいた方がいいでしょう。
採用された後に、
「実は夜勤ができません」
「その曜日は勤務できません」
となれば、本人にも施設にも負担になります。
面接は採用してもらうためだけの場所ではなく、お互いの条件を確認する場所でもあります。
長く働くためにも、重要な条件については正直に確認しましょう。
⑦ 最後の質問を2〜3個準備しておく
面接の最後に、
「何か質問はありますか?」
と聞かれることがあります。
以前の記事では「特にありませんはアウト」と書いていましたが、これも断定しすぎでした。
すでに面接の中ですべて説明されていれば、質問がなくても不自然ではありません。
ただし、面接は求人票だけでは分からない情報を確認できる機会です。
せっかくなので、事前に2〜3個は質問を考えておくことをおすすめします。
例えば、
「入職後はどのように仕事を覚えていきますか?」
「夜勤に入るまでの流れを教えていただけますか?」
「現在、施設として特に力を入れている取り組みはありますか?」
「介護職員の1日の業務の流れを教えていただけますか?」
「入職前に勉強しておいた方がいいことはありますか?」
などです。
自分が実際に働くことを想像して、本当に知りたいことを質問するのが一番です。
実際によく聞く面接質問と回答の考え方
ここからは、私自身が面接する側として確認することの多い内容を紹介します。
「これまでの経歴を教えてください」
履歴書を最初から読み上げる必要はありません。
介護経験を中心に、
「特養で○年、デイサービスで○年勤務しました。特養では主に○○を担当していました」
など、簡潔に説明します。
「前職を退職した理由は何ですか?」
先ほど説明した通り、
退職理由+次の職場でどう働きたいか
まで話せると分かりやすくなります。
「なぜ当施設を志望しましたか?」
応募先について事前に調べ、
自分の経験・希望と施設の特徴がどこでつながるのか
を考えておきます。
「夜勤はできますか?」
できる・できないを正直に答えましょう。
回数に希望があるなら、
「月4回程度であれば可能です」
など、具体的に伝えた方がお互いに判断しやすくなります。
「いつから働けますか?」
現在勤務中なら、無理に早い日程を答える必要はありません。
退職手続きなどを考慮して、現実的な入職可能日を伝えましょう。
面接で私が特に見ていること
私の場合、資格や経験だけで採否を考えているわけではありません。
特に見ているのは、
「この人と現場の職員が一緒に働く姿を想像できるか」
という部分です。
介護は一人ではできません。
介護職、看護師、ケアマネジャー、相談員、栄養士、機能訓練職など、さまざまな職種と協力します。
だからこそ、
- 相手の話を聞ける
- 質問に対して自分の言葉で答えられる
- 分からないことを分からないと言える
- 自分の希望を適切に伝えられる
- 他者のせいにするだけで終わらない
といった部分は、経験年数とは別に重要だと感じています。
逆に言えば、緊張して少し言葉に詰まったから、それだけで面接に失敗したとは限りません。
面接は「施設から選ばれるだけの場所」ではない
ここは、転職する方に特に伝えたいところです。
面接では施設側が応募者を見る一方で、応募者も施設を確認してください。
例えば、
- 面接官の対応
- 求人票と説明内容に違いがないか
- 職員への接し方
- 施設の雰囲気
- 教育体制
- 勤務条件
- 質問にきちんと答えてくれるか
などです。
内定を取ること自体が転職活動のゴールではありません。
自分が納得して長く働ける職場を見つけること
の方が重要です。
👉 【関連記事】介護の良い求人を見つける方法|求人票で確認したい7つのポイント
まとめ|面接は「一緒に働けるか」を確認する時間
介護職の転職面接で押さえておきたいのは、
- 面接場所・時間・持ち物を確認する
- 履歴書・職務経歴書を整理する
- 清潔感と挨拶を意識する
- 退職理由を悪口だけで終わらせない
- 「なぜこの施設なのか」を考える
- 希望条件は正直に伝える
- 最後の質問を準備しておく
この7つです。
面接だからといって、自分を必要以上によく見せる必要はありません。
採用する側としても、面接だけでその人のすべてが分かるとは考えていません。
それでも、
「これまで何をしてきたのか」
「これからどう働きたいのか」
「なぜこの職場を選んだのか」
を自分の言葉で伝えてもらえると、その人が働いている姿をイメージしやすくなります。
そして忘れてほしくないのが、面接は施設側だけが判断する場ではないということです。
応募者側も、
「ここで自分は長く働けそうか」
を確認してください。
採用されるためだけの面接ではなく、自分に合った職場と出会うための面接にしてもらえればと思います。

