【現役施設長が伝えたい】ご逝去時の声かけと心構え|介護職として最後まで寄り添うために
はじめに
こんにちは。
現役特別養護老人ホーム施設長の「施設長のライフノート」です。
介護の仕事をしていると、いつか必ず利用者様とのお別れを経験します。
特に特別養護老人ホームでは、「看取り介護」を行う施設も多く、ご本人やご家族と最期の時間を一緒に過ごす機会があります。
新人職員からよく相談されるのが、
「どんな言葉をかければいいのでしょうか?」
という質問です。
私も介護職になったばかりの頃は、とても悩みました。
今回は、施設長として多くのお看取りに関わる中で、私自身が大切にしている考え方をお伝えしたいと思います。
声かけに正解はありません
最初にお伝えしたいことがあります。
それは、
「絶対に正しい言葉」はない
ということです。
100人いれば100通りの人生があります。
ご家族との関係も違います。
宗教観も違います。
そのため、
マニュアルどおりの言葉を伝えることよりも、
相手の気持ちに寄り添うこと
の方が何倍も大切だと私は考えています。
危篤時に私が意識していること
危篤状態になると、
反応が少なくなる方もいます。
しかし、
「耳は最後まで聞こえていることが多い」
とも言われています。
真偽は分かりません。
だから私は、
聞こえているつもりで話しかけます。
例えば、
「〇〇さん、こんにちは。」
「今日は娘さんが来てくださいましたよ。」
「苦しくないですか?」
「私たちはここにいますから安心してくださいね。」
特別な言葉は必要ありません。
いつも通りの優しい声で話しかけることが、一番安心につながると思っています。
「頑張って」は使うべき?
これは介護職の間でも意見が分かれます。
私は、
終末期では
なるべく使わないようにしています。
利用者様は、
長い人生を十分頑張ってこられた方です。
だから私は、
「ありがとうございます。」
「安心してくださいね。」
「ゆっくり休んでください。」
そんな言葉を選ぶことが多いです。
もちろん、
ご家族が「頑張って!」と声をかけることを否定するものではありません。
大切なのは、
誰が、どんな思いで伝えるか
だと思っています。
ご逝去後、ご本人への最後の声かけ
医師が死亡確認を行ったあとも、
私は最後に必ず心の中でお礼を伝えます。
例えば、
「長い間、本当にありがとうございました。」
「お疲れさまでした。」
「ゆっくり休んでください。」
利用者様との思い出を振り返りながら、
静かに声をかけています。
ご家族への声かけで大切なこと
ご家族への対応で一番大切なのは、
相手の気持ちを決めつけないこと
です。
ご家族によって、
涙が止まらない方もいれば、
気丈に振る舞う方、
事務手続きを淡々と進めようとする方もいます。
どれも自然な反応です。
だから、
まずは相手の様子を見ながら言葉を選びます。
私がよくお伝えするのは、
「最期まで一緒にいてくださって、〇〇様も安心されたと思います。」
「私たちも大切な時間をご一緒させていただき、ありがとうございました。」
このような言葉です。
涙を流してもいいと思う
新人職員から、
「泣いてはいけませんか?」
と聞かれることがあります。
私は、
自然にあふれる涙なら、悪いことではない
と思っています。
介護は、
人と人との仕事です。
たくさん関わった利用者様との別れは、
悲しくて当然です。
ただ、
ご家族より前に感情的になり過ぎたり、
対応ができなくなるほど取り乱したりすることは避ける必要があります。
悲しみを共有しながらも、
最後まで専門職として寄り添うことが大切だと思います。
最後のお見送り
ご遺体が施設を出発するとき、
私はできる限り最後までお見送りします。
「〇〇様、ありがとうございました。」
そして、
ご家族へ
「最期まで大切な時間をご一緒させていただき、本当にありがとうございました。」
とお伝えします。
最後のお見送りは、
利用者様だけでなく、
ご家族にとっても大切な時間です。
施設長として伝えたいこと
介護職は、
利用者様の人生の最後に立ち会える数少ない仕事です。
だからこそ、
マナーよりも、
技術よりも、
まずは
敬意
を忘れないこと。
利用者様が歩んできた人生を尊重し、
ご家族の思いに寄り添い、
最後まで温かく送り出す。
それが私たち介護職にできる、一番大切な支援だと思っています。
まとめ
ご逝去時の声かけに「正解」はありません。
しかし、
- 相手に寄り添うこと
- 人生への敬意を持つこと
- ご家族の気持ちを尊重すること
この3つは、どんな場面でも共通する大切な姿勢です。
介護の仕事は、人の人生に寄り添う仕事です。
最期の時間も、その方らしく穏やかに過ごしていただけるよう、私自身もこれからも学び続けたいと思います。
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