2025年12月、私は特別養護老人ホームの施設長に就任した。

気づけば半年が経過した。

施設長になる前は、「仕事の内容が大きく変わるんだろうな」と思っていた。しかし実際に変わったのは仕事内容以上に、自分自身の考え方だった。

今回は、施設長になって半年で感じたことを書いてみたい。

問題は減らない。むしろ増える。

施設長になる前は、何か問題が起きても最終的には上司が判断してくれていた。

しかし施設長になると違う。

職員の退職相談、人間関係のトラブル、利用者様の事故、ご家族からのご意見、設備の故障、人材不足、行政対応…。

毎日のように何かしらの問題が発生する。

正直なところ、

「なんでこんなに問題ばかり起きるんだろう」

と思う日もある。

ただ、半年経った今だから分かることがある。

問題がなくなる日は来ない。

施設長の仕事は、問題をゼロにすることではなく、一つひとつ適切に向き合い、組織を前に進めることなのだ。

決断することが仕事になった

施設長になる前は、自分で考えて提案する立場だった。

今は違う。

最終的に決める立場になった。

もちろん迷うことはある。

しかし、意外だったのは「迷う時間」は減ったことだ。

なぜなら、誰かが決めてくれるのを待っていても何も進まないからだ。

完璧な答えを探すよりも、

「現時点で最善と思える選択をする」

ことが重要になった。

決断には責任が伴う。

それでも決めなければ組織は動かない。

施設長になって、その重みを日々感じている。

プレイヤーからマネージャーへ

以前は自分が動けば成果が出る仕事が多かった。

しかし今は、自分一人が頑張っても施設全体は良くならない。

大切なのは職員が働きやすい環境を整えること。

リーダーを育成すること。

それぞれが力を発揮できる仕組みを作ること。

施設長になってから、

「自分がやった方が早い」

と思う場面は数え切れないほどある。

それでも、自分がやり続けてしまえば組織は成長しない。

任せることも仕事。

育てることも仕事。

最近はそう考えるようになった。

施設を良くしたいと思うほど仕事は増える

面白いことに、施設を良くしたいと思えば思うほど仕事は増えていく。

新しい取り組みを始めれば調整が必要になる。

職員教育を強化すれば時間がかかる。

利用者様の生活を良くしようとすれば検討事項も増える。

以前は、

「仕事を減らしたい」

と思うことが多かった。

今は、

「本当に必要な仕事に集中したい」

と思うようになった。

仕事を減らすことではなく、価値のある仕事を増やすこと。

これも施設長になって変わった考え方の一つだ。

半年経って思うこと

施設長になったからといって急に優秀になったわけではない。

今でも悩む。

失敗もする。

反省することも多い。

それでも半年前の自分と比べると、一つだけ成長したことがある。

それは、「問題から逃げなくなったこと」だ。

問題が起きたら向き合う。

難しい課題ほど早めに手を付ける。

完璧でなくても前に進む。

そんな考え方が少しずつ身についてきた気がする。

おわりに

施設長になって半年。

本当に変わったのは仕事内容ではなく考え方だった。

問題はこれからもなくならないだろう。

むしろ新しい問題が次々に出てくると思う。

それでも、施設で生活される利用者様や支えてくれる職員のために、一つひとつ向き合っていきたい。

半年後、1年後にこの記事を読み返したとき、少しでも成長したと思える自分でいたい。