特別養護老人ホーム居室の違い
私が働いている特別養護老人ホーム(以下特養)は、従来型「多床室」とユニット型「個室」の2つを併せ持つ、ハイブリッド型特養と呼ばれる施設である。
それぞれ、メリット・デメリットがあり、今後入居を検討されている方は、実際に働いてる職員の感想として参考になれば幸いです。
特養は、終の棲家と言われる施設でもあります。
今まで頑張ってきた人生。最期の場所を選ぶのはもしかしたら人生で一番の選択と言っても過言ではありません。自分の死に場所は自分で決めたい。でも、実際施設に入ったこともないし、内情も分からない。ましてこのコロナ禍で、施設の見学もできない現状です。実際に働いている目線で、生の情報を届けたいと思いますので、是非一読してみて下さい。
ユニット型のメリット・デメリット
・メリット
- 個室の為、自分だけの空間がある
- 決まった職員で支援に当たるため自分の事をよく知ってもらえる
- 個別ケアといって、起きたい時間に起きたり食べたい時に食べたりと時間の自由がききやすい
- 落ち着いた雰囲気で生活が送れる
・デメリット
- 料金が高い
- 1つのユニットが10~12名単位なので仲の悪い方がいると最悪
- 居室に籠りがちになりやすい
ユニットのメリットは、何といっても個室があることです。筆者自身人見知りな部分もあり、出来る事であればあまり必要以上の人との接点は持ちたくないと思う事があるタイプなので、個室で生活が送れるというのは、とても良いことだと思います。
人の寝息や話し声、認知症の方の独語が聞こえる部屋で、リラックスして過ごすことは並大抵のメンタルでは難しいと思います(笑)
従来型のメリット・デメリット
・メリット
- 料金が安い
- 多くの方が同じフロアにいるので賑やか
- 沢山の方とコミュニケーションがとれる
・デメリット
- 職員が多くの方をみるため画一的なケアとなりやすい
- 身体の自由が効かない、発話が出来ない等の障害がある場合後回しにされやすい
- 職員の目が届きにくい
従来型のメリットは、何といっても料金が安いことです。うちの施設では、生活保護の方の受け入れも行っています。在宅で生活できるレベルではなく、有料老人ホームやユニット型特養に入れるお金がないという方にとっては、従来型という選択肢があるのではないかと思います。
ただ、こう言ってはなんですが、ユニット型に比べるとサービスの質が低下するのは事実です。それは、多床室というハード面以外にも、温かいお茶が飲めないとか、他者の介助を待たなくてはいけないとか、朝のトイレ争奪戦があるとか(笑)
賑やかな雰囲気が好きや、他者と話して過ごすのが苦でないや、自分の事はある程度自分で出来るという方であれば、入居を決めてもいいかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ユニットと従来。二つの特徴ある施設が併設されている所で、実際に働いている職員目線で記事を書いてみました。私自身の個人的な意見でいえば、お金があるのであれば、ユニットに入るべきだと今の所は感じています。転倒や転落事故の件数、褥瘡の発生率、部屋の清潔さなどをみても、従来の方がユニットに劣ってしまうのは歴然としています。
そこの差を少しでも埋めていく。従来であろうが、入居者らしい生活を支援していくのが私たちの仕事であり、今後の課題であることは確かです。
ユニットだから出来るという言葉が、少しでも減っていくように、日々の仕事に精進していきたいと思います。