2025年12月、私は特別養護老人ホームの施設長になった。

あれから3カ月。

率直に言うと——
「思っていたより大変」
そして同時に
**「思っていたより、自分が試される仕事」**だと感じている。

この記事は、同じように管理職になったばかりの方、これから目指している方へ向けて書いています。


① 最初の1カ月:とにかく“判断”の連続

プレイヤー時代は「正解を出す側」だった。
でも施設長になると、「正解がない中で決める側」になる。

・人員配置
・退職希望者への対応
・法人方針とのすり合わせ
・家族対応
・加算管理
・委員会運営
・収支

しかも全部同時進行。

正直、頭の中は常にフル回転でした。

そして一番怖かったのは、

「この人、本当に大丈夫?」と思われていないか

という、自分への不安。

管理職の孤独ってこれか、と思いました。


② 2カ月目:ノロウイルスのクラスター発生

慣れ始めた頃、起きました。

ノロウイルスのクラスター。

最初は入居者お一人の嘔吐から始まりました。
「もしかして」と思った時には、すでに複数名に拡大。

フロア閉鎖。
面会制限。
応援体制の調整。
保健所への報告。
職員の疲弊。

一気に現場の空気が変わりました。

正直、怖かった。

「拡大したらどうする」
「家族から強い声が上がったら」
「職員が倒れたら」

判断を誤れば、命にも関わる。

そして痛感したのは、

施設長は“最後に決める人”だということ。

現場は必死に動いている。
看護師も、介護職も、厨房も、本気で踏ん張っている。

だからこそ、私はブレてはいけない。

でも内心は不安だらけ。

そのとき初めて気づきました。

私は「全部自分で何とかしよう」としていた。

完璧な指示を出そうとし、
完璧な対策を打とうとし、
完璧な説明をしようとしていた。

でもクラスター対応で学んだのは、

管理職の役割は“ヒーローになること”ではない。

✔ 情報を整理する
✔ 優先順位を決める
✔ 現場を信じる
✔ 責任を引き受ける

これだけでいい。

全部できなくていい。

あの数週間は、正直きつかった。
でも、あの経験が私の覚悟を一段引き上げました。


③ 3カ月目:覚悟が決まったこと

今も余裕はありません。

でも、決めたことがあります。

✔ 逃げない

退職が出ても、クレームがあっても、クラスターが起きても。
まず向き合う。

✔ 完璧を目指さない

70点で出して、改善していく。

✔ 挑戦できる施設にする

若手が提案できる空気を作る。
失敗しても責めない文化をつくる。

施設長の仕事は“管理”じゃなく
空気をつくることだと思うようになりました。